1号20cm砲 |
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型番 | 備考・搭載艦 |
A型 | 古鷹型重巡に搭載された。単装砲で、重量軽減のために砲弾は一旦1段下の甲板に揚げ、そこから改めて砲尾へ揚弾する形式だった。砲身への装填も人力装填で、これにより旋回部重量は砲室1基で57.5トンに抑えられている。 |
A1型 | 円錐台架に載せられた舷側の単装砲で、空母「赤城」「加賀」に搭載。 |
B型 | 同じく空母「赤城」「加賀」に搭載。当時は水上戦闘が考えられていたが故の装備で、仰角が70度のために一応対空戦闘が可能であったが、装甲は薄い。本型以降のタイプは全て連装砲となっている。 |
C型 | 青葉型重巡洋艦に搭載。砲弾は揚弾筒によって弾薬庫から直接砲尾に揚弾し、装填も機力となり発射速度の維持が可能となっている。しかし防御力に問題があったため、1937年の近代化改装の際に改められた。砲塔の形状は次のD型と似ているが、砲の周囲に防熱板が装着されていない点で識別できる。 |
D型 | 妙高型重巡洋艦に搭載。先のC型砲塔と形状は似ているが、装填機構が改良されている。外見上は砲塔周囲に防熱板が追加され、直射日光による砲塔内部の温度上昇を抑える役をしている。また出入り口が砲塔後部になった(A型、C型は側面。B型はD型同様後部)。竣工時の揚薬筒はC型同様にせり上げ式だったが後に釣瓶式に変更された。妙高型各艦は第一次近代化改装の際に砲の内筒を交換して口径203.2mmの「2号20cm砲」とした。 |
2号20cm砲 |
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E型 | 高雄型重巡洋艦に初めて搭載された砲塔。最大の特徴は仰角を70度まで上げて対空射撃を可能とした点である。揚弾筒も対空弾用に1本追加された。ただ装填角度が従来と同じ固定5度なので対空射撃の時は発射速度が大きく落ち、また射撃指揮装置も対空戦闘を考慮しておらず、完全な両用砲とは言えなかった。 |
E1型 | 「摩耶」1隻のみに搭載された、仰角を55度に抑えたマイナーチェンジ版。実際の対空戦闘では水平線近くの雷撃機を射撃する機会が多いことが判ったため、仰角が抑えられた。 |
E2型 | 近代化改装後の古鷹型に搭載された。実態は妙高型から降ろした「1号20cm砲」の内筒を削り、新たに「2号20cm砲」として再利用したとされている。 |
E3型 | 利根型重巡洋艦に搭載された。利根型は1,3,4番砲のリングサポートの形状が上に行くほどすぼまった円錐台形の形をしているのが特徴である。これは新造工事の途中で「15.5cm三連装砲(主砲)」から「20.3cm連装砲」に主砲が変更されたのが原因で、15.5cm砲より20cm砲の方がローラーパス径が小さいためである。外形は先のE型砲とほとんど変わらない。 |
E4型 | 近代化改装後の最上型重巡に搭載されたもので、外見はE3型と全く変わらないがローラーパス径に違いがあるためこのように分類されることが多い。 |
3号20cm砲 |
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F型 | 列強の武装強化を受け、新たに砲身を55口径にした3号砲を高雄型4隻と「羽黒」に搭載させる計画があった。テストの結果も良好であったが1938年に開発中止となる。 |